不動産用語集

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すうりょうのふそくまたはもののいちぶめっしつのばあいにおけるうりぬしのたんぽせきにん

数量の不足または物の一部滅失の場合における売り主の担保責任

民法第565条の規定により売買契約における売主が負うべき無過失責任のことです。

1.売主の担保責任
民法では、売主が責任を果たさない場合には、買主は売主の債務不履行責任を追及できると定めています(民法第415条:損害賠償、民法第541条:解除)。
しかし、このような債務不履行責任を買主が追及できるのは、売主に帰責事由(故意または過失)がある場合だけです。

しかし、これでは買主の保護に欠け、売買契約への信頼性をそこなうことになりかねない。そこでわが国の民法では、売主に帰責事由がない場合(すなわち売主が無過失である場合)であっても、一定の場合には売主が買主に対して責任を負うと定めています。このような売主の無過失責任が「売主の担保責任」です。

2.民法第565条による売主の担保責任
売主の担保責任の一つとして、数量の不足または物の一部滅失の場合における善意の売主の担保責任がある(民法第565条)。民法第565条の内容は、具体的には次のとおりです。

1)善意の買主(数量の不足または物の一部滅失を知らなかった買主)は、売主に対して、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求ができる。売主はたとえ無過失であったとしても代金減額請求・契約解除・損害賠償請求を拒絶することができないです。
(注:ただし契約解除は、不足分・滅失分以外の残存部分のみであれば買主が買わなかったであろう場合にのみ行なうことができます)
2)悪意の買主(数量の不足または物の一部滅失を知っていた買主)は、売主に対して、代金減額請求・契約解除・損害賠償請求のいずれも行なうことができないです。
(注:悪意の買主は民法第565条では権利を行使できないが、売主に故意過失がある場合であれば売主の債務不履行責任を追及することはできます)

3.権利を行使できる期間
上述の2.に挙げた民法565条による善意の買主の代金減額請求権・契約解除権・損害賠償請求権は、善意の買主が事情(数量の不足または物の一部滅失)を知った日から1年以内に行使しなければならないです。

4.数量の不足について
上述のように数量が不足した場合には、買主は民法第565条に従って権利を主張することができるが、このときその売買契約が「数量指示売買」であることが必要とされています。
数量指示売買とは、当事者が或る数量を確保するため契約において数量を表示し、この数量をもとに売買代金が定められた売買契約のことです。
(詳しくは「数量指示売買」へ)
参考文献:
関連サイト:
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